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人事職種ガイド

採用担当の仕事

採用担当者が、応募者を判断するための大事な要素の一つに「志望動機」があります。
一方、どのように志望動機を書いてよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
「人事の転職」では、なぜ志望動機が重要なのか、志望動機の書き方サンプルなどをご案内いたします。

採用とは

企業に必要な経営資源である、ヒト・モノ・カネ・情報。その中でも特に重要な資源であるヒトの獲得を行なうのが人材採用です。
企業の成長は従業員数の増大とほぼ同義であり、採用業務は企業の命運を握っていると言っても過言ではないでしょう。

新卒採用とは

新卒採用とは、企業が卒業予定の学生(=新卒者)に対して一斉に求人し、選考試験を経て入社者を確定、卒業と同時に入社させる採用手法です。
卒業前で就業経験も無い学生に対して、多くの企業が一斉に説明会や面接を行なうスタイルは、世界に類を見ない日本独自のものです。

新卒採用の目的

新卒採用の目的

企業が永続的に維持成長していくためには、次世代、次々世代の人材育成が不可欠です。
定期的に新卒者を採用することで、若手を安定的に確保することができます。毎年新たな人材が入ってくることは、組織活性化にもつながるでしょう。また、新卒者は中途入社者とは違い、他の企業の色に染まっていません。
一から育てることで、企業マインドや組織風土のカラーを正しく継承していけることも大きなメリットです。
選考活動や入社後の育成には手間と時間がかかりますが、今もなお多くの企業において採用活動の主流となっています。

中途採用とは

近年は新卒採用において、売り手市場が続いています。
新卒採用では十分な人材を確保できない企業も続出しており、これまで以上に中途採用へのニーズが高まっています。
中堅・中小企業だけでなく、従来は新卒採用を重視する傾向にあった大企業の多くが、中途採用に積極的に取り組んでいます。

中途採用の目的

業務量の増加や退職による欠員など、労働力の確保が不意に必要になった際にタイムリーに対応できるのが中途採用の強みと言えます。
また、新卒採用が就業経験の無い未経験者を対象としたポテンシャル採用であるのに対して、中途採用では必要な知識・経験を有した即戦力を採用することが可能。育成にかかる手間や時間も、新卒採用と比べてはるかに軽微なものになります。中途入社者を通じて他社のノウハウや経験を取り込むこともでき、単なる増員だけではなく組織の活性化にもつながるでしょう。

アルバイト・パート採用とは

「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(いわゆるパートタイム労働法)では、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とだけ定められていて、アルバイトとパートに法律上の区別はありません。
それぞれの呼び名が使われるようになった由来や背景から、アルバイトは「学生が行なう仕事」、パートは「既婚女性が平日の昼間に短時間行なう仕事」という一般的なイメージが浸透しているようです。

労働力人口の中で占める割合は増え続けていて、現在は雇用者の四人に一人がアルバイト・パート。企業の重要な労働力です。
特に外食や流通、小売など、店舗で消費者に直接商品やサービスを提供する業態では、アルバイト・パートが確保できなければ出店が滞ってしまうほどの最重要課題となっています。

アルバイト/パート採用の目的・シーン

最大の目的はやはり、人件費の抑制でしょう。繁忙期や閑散期にあわせて人員を調整し、シフトを組み、働いた時間分だけ給与を支払う。
必要な人数で必要な時間だけ働いてもらうことができるのが、アルバイト・パート採用の大きなメリットです。

新卒採用担当の仕事内容

新卒採用の流れ

新卒採用担当者はほぼ1年をかけて、さまざまな業務に取り組まなければなりません。

    新卒採用の流れ

  • 採用目標
    の設定

  • 募集情報
    の広報

  • エントリー
    受付

  • 会社説明会
    開催

  • 筆記試験・
    適性検査の
    実施

  • 書類選考

  • 面接

  • 内定出し

  • 内定者
    フォロー

大まかなフローでもこれだけのフェーズがあります。学生とのやりとりが頻繁に行われるほか、説明会や面接に関わる社員や役員のスケジュール調整、学生向け資料の作成、ブログやSNSを利用した情報発信、内定辞退を防ぐための企画の立案・実行など、ボリュームだけでなく、さまざまな業務を遂行していくことが求められます。

新卒採用成功のポイント

採用担当者だけでなく部課長クラスや役員など複数の人間が面接に関わるため、求める人物像を言語化し共有しておくことが不可欠です。
ホームページや説明会などに、できるだけ多くの現場社員を登場させるのも有効でしょう。社会経験の無い学生は、事業の優位性や商品・サービスの強み以上に、若手社員がなぜこの会社を選んだのか、日々をどんな風に過ごしているのか、といった等身大の情報を求めています。また、選考期間をできるだけ短縮して学生の負担を軽くしたり、懇親会や研修などで内定者フォローを手厚くしたりするなど、歩留まりを上げるための仕組みも必要です。

中途採用担当の仕事内容

中途採用の流れ、ポイント

採用目標を設定し、必要に応じて募集広告を掲載。母集団を形成して選考し、見極める。
基本的な流れは新卒採用と変わりません。大きく異なるのは、その活動期間。
新卒採用では1年近くかかるところを、中途採用は採用人数にもよりますが、概ね1ヵ月前後です。新卒採用と比べると中途採用にはメディアが多く、求職者は基本的に社会人経験者であるため、求人広告を掲載するメディアの選定や求人広告の内容によって、成否が大きく左右されます。また、新卒採用と違って経験や知識を問うことができるため、採用基準のハードルは高くなりがちですが、優秀な人材は当然のように引く手あまたです。社内の受け入れ体制や入社後のポジションなどを考慮し、必須条件(MUST)と歓迎条件(WANT)の適切な判断も重要となってきます。どうしてもハイスペックな人材が必要な際には、メディアよりも人材紹介のほうが有効かもしれません。

アルバイト・パート採用担当の仕事内容

アルバイト・パート採用の流れ、ポイント

アルバイト・パートは補助的な業務を担当するだけだから、とりあえず採用してしまえば何とかなる――そんな考え方では、人材は定着しません。
定着しない職場はやがて応募すら来なくなり、人材不足で営業もままならなくなるでしょう。優秀でやる気のあるアルバイト・パートが貴重な人材であることを認識し、責任のある仕事を任せて積極的に活用していくというスタンスが不可欠。そういった人材を獲得するためには、求める人物像と採用基準の明確化が必要となります。採用活動自体は短期間・低コストになりますが、この「求める人物像と採用基準の明確化」は、新卒採用や中途採用と同等に注力すべきでしょう。

採用担当に求められる能力、スキル、資質

採用担当に求められる能力、スキル、資質

「採用は営業だ」というフレーズをよく耳にします。
求職者はクライアントで、説明会や面接を通じてプレゼンを行い、「入社したい」という購買意欲をかきたてているのだと考えると、確かに営業のプロセスと似ています。求職者にとって印象が良かったり、この人と一緒に働きたいと思わせたり……。
優秀な営業マンほど、優秀な採用担当に向いているかもしれません。

また、多くの求職者とさまざまなやりとりが発生するため、予定通りに進まないことや不足の事態が発生することも珍しくありません。 突発的な状況にも、臨機応変に対応することが求められます。説明会や書類選考、面接設定などをこなしながら、個々の求職者とのコミュニケーションもおろそかにせず、さらにはブログやSNSで情報発信も行う。効率的に物事を進めていく能力が求められるでしょう。

考えられるキャリアパス

便宜上、ひとくくりに採用担当と述べてきましたが、メディアを用いた採用活動や人材紹介、ダイレクト・ソーシングなど、採用手法は多様化してきており、採用担当にもさまざまな役割があります。
求職者との連絡や面接の設定などのオペレーションを行なうコーディネーターや、ITツールを駆使して優秀な人材は発見しスカウトするソーサー。リクルーターからスタートして採用マーケティングを手がけたり、採用戦略全体を構築するプランナーになったり、さらにはエグゼクティブ専任のリクルーターや採用チーム全体を統括するマネージャー。細分化された役割が、そのままキャリアパスへとつながっていきます。