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人事職種ガイド

人材育成担当の仕事

人材育成とは

企業が経営理念を実現し、業績を向上させていく上で、従業員の成長は重要なテーマの一つ。そのため、人材育成は企業経営の根幹をなすものと言えます。従業員にとっても、自身の能力が高まれば成長を強く実感することができ、結果的に昇進・昇格や報酬の増加へと結びついていくため、大きなメリットがあります。そういう意味でも、企業における人材育成は、企業と従業員がWin-Winの関係を築くものと言えるでしょう。

新入社員育成

新入社員育成とは

最近まで学生だった新入社員は、入社することで消費者から生産者へと劇的に立場が変わります。新入社員育成は、新入社員の意識を転換させ、会社組織において職務・業務を遂行する上で必要な知識やスキルを身につけてもらうことを目的に実施されます。

新入社員育成の目的

新入社員育成の目的

新入社員育成には、下記のような目的があります。

  • ●組織・経営理念の理解

  • ●社会人としての自覚・常識、ビジネスマナーの装着

  • ●社員としての意識づけ

  • ●仕事に関する基礎知識、スキルの獲得

  • ●職場環境への適応

新入社員の早期戦力化は多くの企業にとって急務であり、新入社員育成は企業における最重要課題の一つとなっています。

効果的な新入社員育成とは

新入社員育成では、集合研修とOJTをバランスよく組み合わせることが効果的です。最初に集合研修をじっくりと行ない、業務遂行に必要な基礎知識や社員としての心得を教えます。その後、配属先の上司あるいは先輩社員が仕事への考え方や対応の仕方、具体的な実務や技術・スキルを実際の仕事の中で直接見せ、指導していくのです。レクチャー方式の集合研修はコミュニケーションが一方向で、「理論」「知識」が先行して「実践」に欠けます。とはいえ「理論」「知識」を伴わない「実践」は無意味なため、OJTだけでも機能しません。集合研修により身に付けた理論や知識をOJTにより実践で活用することで、より理解が進み、早期戦力化へとつながるでしょう。

中堅社員育成

中堅社員育成とは

「中堅社員」に厳密な定義はありませんが、概念としては、ある程度の業務を自分一人で遂行できる社員、ということができるでしょう。若手からベテランまで幅広い層が該当しますが、共通するのは、会社の業績を担う中核メンバーであること。その人たちの専門能力をより強化していくために行われるのが、中堅社員育成です。

中堅社員育成の目的

中堅社員になると、高いレベルで成果を挙げることはもちろん、後輩社員や部下への指導、リーダーシップなど、個人の業績以外への関与が求められるようになります。褒め方や叱り方、目標設定の仕方など、後輩を育て正しく導いていくために必要なスキルや、チームをけん引する役割などを認識させることで、次世のリーダーとなる人材を育成していきます。

管理職育成

管理職育成とは

管理職育成とは

2012年に経団連がまとめた「ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応」によると、7割以上の経営者がミドルマネジャーの働きぶりや能力に満足していると回答しています。しかしその一方で、ミドルマネジャーが対応すべき重要課題である「部下のキャリア・将来を見据えた指導・育成」「経営環境の変化を踏まえた新しい事業や仕事の企画立案」については、役割を果たせていないとも判断しているようです。
組織のフラット化や短期的な業績・結果志向の高まり、コンプライアンスなどに関する管理業務の増大などの要因から、ミドルマネジャーに求められる役割は拡大の一途をたどっているため、その全てに注力できていない現状がうかがえます。ミドルマネジャーの育成には、教育や研修だけでなく、抱えている業務負荷を軽減するための組織的支援や、意欲を維持向上させるための精神的支援なども必要です。

管理職育成の目的

ミドルマネジャーには、経営陣が決定した方針を正しく理解し、部下に周知した上で現場を動かし、業績を作ることが求められています。また、現場の状況を把握して経営陣に共有することも、ミドルマネジャーの役割です。組織が期待通りに機能し成果を挙げていくには、ミドルマネジャーの能力を引き出し、存分に力を発揮できる環境を整えることが重要と言えるでしょう。

サクセッションプラン

サクセッションプランとは

サクセッションプラン(Succession Plan)を直訳すると、「継承・相続の計画」。もともとは重要なポジションの後継者を見極め、育成する「後継者育成計画」のことを指していました。しかし近年では、優秀な人材をプールしておく施策全体を意味するようになっています。人材アセスメントや組織力分析、次世代人材の育成、活性化、定着戦略なども含まれます。

サクセッションプランの目的

経営判断を下す立場にある経営幹部の能力によって、企業の業績は大きく左右されます。経営幹部が力不足の場合、業績が一気に悪化する危険性があるわけです。順調に業績を伸ばしている企業が今後も成長し続けていくには、前任者と同等あるいはそれを上回る能力を有する幹部後継者の確保が不可欠です。

サクセッションプランのポイント

「重要なポジションと人材要件の明確化」「後継候補者の選抜と確保」「育成計画の作成・実行」「進捗確認と評価・見直し」大きく四つの段階で構成されます。サクセッションプランは、人事ではなく経営層が直接行なう性質が強く、人事が主体となって関わる部分はそれほど多くはありません。しかし、経営幹部に関する人材要件の人事評価へのフィードバックや候補者の選抜、育成方法のルール、人材プールの管理体制の構築などにおいては、経営陣と人事との綿密な連携が必要です。

選抜型研修

選抜型研修とは

特定のポストの候補者をピックアップして育成するサクセッションプランとは異なり、ポストを特定せずに一定基準をクリアした一部の若手人材を選抜し、特別な教育を早期から受けさせるのが選抜型研修です。候補者をある程度絞り込むことでコストを抑えることができ、スピード感をもって育成することが可能です。

選抜型研修の目的

企業によって、リーダーの捉え方には差異があります。同じ次世代リーダーの育成が目的でも、従業員規模が大きい企業では、選抜型研修を受けた人材の中から次なる経営層が輩出されることを期待する傾向があります。一方、従業員規模が小さい企業では、経営を担うところまでは想定せず、職能部門のトップとしての役割を期待していることが多いようです。

人材育成担当の仕事内容

人材育成担当の仕事内容

人材育成の目的は、従業員それぞれのレベルに応じて、経営戦略を担うことのできる能力を開発することです。研修計画を作成する際には、経営戦略に対応した人材育成戦略であることが求められるほか、当面の課題の対応だけではなく、将来必要とされる能力の開発を含んでいなくてはなりません。したがって、短期(1~2年)と中期(3~5年)の人材育成戦略を考える必要があります。具体的には、研修予算の確保→研修計画の立案→研修内容の決定→年間スケジュールの決定→告知→実施→効果測定、などのような流れで進めていきます。

人事育成担当に求められる能力、スキル、資質

新入社員育成、中堅社員育成、管理職育成、次世代リーダーの育成……。企業における人材育成の重要度が高まるとともに人材育成は複雑化し、難易度も高まり続けています。そのため人材育成担当は、社内のあらゆる部門、あらゆる職種の状況を常に把握できていることが理想です。高い情報収集能力によって集めた事実から課題を正しく抽出する力、解決策を導き出す思考能力、さらにはその解決のために必要なキーパーソンを巻き込んで動かす力なども必要です。