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人事職種ガイド

労務担当の仕事

労務とは

報酬を目的とした労働自体も労務と呼びますが、一般的には企業における労働に付随する関連業務全般を指します。事務処理や管理業務が中心です。労働量、つまり勤務時間の管理や、労働の報酬となる給与の計算、保険の手続きなど、従業員のサポート的な意味合いが強い仕事と言えるでしょう。

労務担当の仕事内容

勤怠管理

勤怠管理とは、従業員の就業状況を雇用主が正しく把握し、管理することです。
就業状況とはすなわち、日々の出退勤時間や休憩時間、時間外労働時間や出勤日数、欠勤日数、有給休暇の取得日数など。勤怠管理の方法やシステムは企業によってさまざまですが、その重要性は高まり続けています。言うまでもなく、残業代の未払いや長時間労働による過労死といった深刻な問題は、ずさんな勤怠管理から発生するからです。労働者保護の観点から厚生労働省は労働時間の削減を推進しており、労務担当者は36協定に限らず、高い頻度で改正される労働基準法を熟知しておく必要があります。

給与計算

給与計算

読んで字のごとく、勤怠情報をもとに従業員に対して支払う給与の金額を算出する業務です。基本給や諸手当だけではなく、控除項目の算出も行ないます。

従業員に支払う給与額を計算すると同時に、社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税といった国に納める保険料、税額の計算も行なうわけです。正社員や契約社員、アルバイト・パートなど、雇用契約に応じてそれぞれ異なるルールが適用されるため、慎重な対応が求められます。

社会保険の手続き

民間企業の被雇用者においては、以下のような社会保険、労働保険に加入する必要があります。
・雇用保険
・労災保険
・健康保険
・厚生年金保険
・介護保険(40歳以上)
保険の手続きを万一怠っていると、病気やけがをしたとき、また、定年後の年金受給の際などに、従業員が著しく不利益を被ることになってしまいます。
そのため、入社時や退社時、異動や出産、労災発生時などに迅速かつ正確な手続きを行うことは、労務担当者にとって非常に重要な業務です。

年末調整

年末調整は、給与所得者の1年間に源泉徴収された所得税などについて再計算し、所得税の過不足を精算する制度です。所得税は本来、1年分の所得に関する確定申告により1年分をまとめて支払うのが原則ですが、それでは高額になってしまうため、企業が概算で毎月の給与から源泉徴収する仕組みができました。年間給与所得が2000万円を超える者や災害減免法によって所得税の徴収猶予を受けている者などのごく一部を除き、雇用形態にかかわらず、全ての従業員が対象です。書類の配布、従業員への説明、質問回答、書類の回収、内容のチェック、所得税の還付あるいは追加徴収にいたるまで、毎年の定例業務ですが作業量はかなりのものとなります。

福利厚生

福利厚生

従業員に対して支払う給与以外に、従業員とその家族を対象とした、さまざまな生活福祉向上策を総称したものです。労働力の獲得と定着、モチベーションや生産性の向上などを目的としており、企業の維持成長において重要な役割を担っています。福利厚生にかかる費用は、社会保険料の企業負担分である法定福利費と法定外福利費に分類されます。法定外福利費としては社宅の提供や育児支援、慶弔金の支出などが挙げられますが、従業員の多様なニーズに対応していくべきものだといえるでしょう。
福利厚生の充実を会社選びのポイントとする人も多く、定期的に見直し・改善を行なう必要があります。

人事関連規程管理

就業規則や人事規程は、会社という組織に属するすべての者が遵守しなければならないルールです。必ず定めなければならない事項として、労働基準法第89条には以下のものが列挙されています。
1.始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、終業時転換に関する事項
2.賃金の決定、計算および支払方法、賃金の締切および支払時期並びに昇給に関する事項
3.退職に関する事項
明文化されている規程は企業によって異なりますが、そのほかには人事評価規程、育児介護休業規程、出張旅費規程、慶弔見舞金規程などがあります。規程の内容によっては、企業の規模拡大や事業内容の多角化、時勢の変化などにより、無意味なものとなったり足かせとなったりすることがあります。重要なのは規程の種類ではなく、適切なタイミングで適切な改訂を行なうことです。

安全衛生管理

企業は、労働安全衛生法をはじめとした法令を遵守すると同時に、従業員の安全と健康を保全するため、医師による健康診断を行なわなければなりません。この健康診断は、従業員を雇い入れたタイミングのほか、年1回以上定期的に行なう必要があります。労務においては、その結果の記録、従業員への通知、必要な者への保健指導、労働基準監督署長への報告などの業務が発生します。

また、身体の健康だけではなくメンタルヘルスの重要性が取り沙汰されるようになり、2015年12月からは常用雇用者が50人以上の事業者に対して職業性ストレスチェックの実施が義務付けられました。ストレスチェックのシステム導入や産業医との面談フローなども、労務の重要な役割となっています。

求められる能力、スキル、資質

これまで述べてきたように、労務の業務は非常に多岐にわたっています。まず求められるのは、高いレベルの専門知識と言っていいでしょう。多くの法令に精通していなければなりません。勤怠管理などにおいては、細かく正確なオペレーションも必要です。

また、コミュニケーション能力も重要です。従業員への告知や対応において不快感を与えてしまうと、モチベーションの低下や生産性の低下を引き起こす危険性もあります。柔軟で誠実なコミュニケーションは不可欠と言えるでしょう。

もう一つ挙げられるのが、機密保持の姿勢です。労務は従業員のプライバシー情報を目にする機会も多く、業務によってはアウトソーサーに委託することもあります。機密保持の意識なくしては務まりません。

考えられるキャリアパス

典型的なキャリアパスとして挙げられるのは、企業の人事総務労務部門を歩むことです。給与計算や社会保険手続などを担当するところからスタートし、主任あるいは課長クラスになればマネジメントや人事規程の改訂なども手がけるようになります。意欲と機会があれば、広く人事全体に関わる人事部長へ、あるいは更に経営のボードに加わっていくことも可能です。あるいは、社会保険労務士事務所や総合法律事務所、労務コンサルティング会社などで働くという選択肢もあります。
いずれにせよ、労務は専門性が高く幅広い仕事ですから、労務業務全体をマスターし関わっていくのか、ある特定の業務に特化して携わっていくのか、自身の意志によってキャリアは大きく左右されます。

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